冬森佐和子は2歳年上の姉で、地元では一番の美少女で評判が高く、35歳になった現在でもM下奈緒似の美人で通っている。彼女は短大を卒業後は東京の某大企業の営業職に父の縁故で就職した。コネ入社とはいえ、営業は彼女の天職だったらしくやり手ぶりを最大限に発揮し、今では立派な「お局様」である。年収も700万円弱と、同年代の男性社員よりもよほど稼いでいる。
生真面目な美登理と異なり、佐和子は社交的で話題も多く、誰とでも仲良くなれる人柄である。しかも佐和子は長女だからと言って両親が熱心に家事を教えていたこともあって、料理その他はセミプロ級。親類縁者の間では佐和子こそが誰よりも早く寿退社するだろうと予想されていた。しかし現実はそう甘くなく、気が付けば独身のままアラフォーに差しかかってしまった。
佐和子が婚期を逃した理由は、一口でいえば仕事が多忙すぎて出会いがないからである。バブル時代までならともかく、現在では職場での「集団見合い」などほどんどなく、佐和子の同僚男性のほぼ全員が親世代の既婚者である。それでも人並み以上にに結婚願望のある佐和子にとって、倍近く年の違う既婚者の上司からの不倫の誘いなど煩わしいものでしかない。容姿端麗で仕事もできる佐和子は職場では「アネゴ」と慕われており、言いよってくる男性も同年代か年下もかなりいるのだが、佐和子にとっては彼らすら結婚相手と見ることはできないらしい。
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